【ファンケル】「ファンケルレポート 2016」を発行
ファンケルグループの理念、事業活動、商品・サービスなどについての紹介と、事業活動におけるステークホルダーとのかかわりについての「ファンケルレポート 2016」が発行された。PDF見開きで12枚。ページ数では21ページ。必要であれば郵送してもらえる。
ページ数が多ければよいということでは決してないが、それにしても若干の物足りなさを感じる。逆に言えばコンパクトなので、あまり構えずに全体像を把握するのには良い。
最初に理念やトップメッセージ、事業紹介や事業戦略などについて述べられており、ここまでで半分近く。トップメッセージでは「無添加化粧品」「健康寿命」を象徴的な言葉として使っている。
続けて「ファンケルの価値創造」として、「研究開発」「安心・安全な製品づくり」「顧客視点」「ダイバーシティ」についてピックアップ特集的に。項目の選定理由はわからないないが、ファンケルと言えば女性活躍のイメージが最も強いので、それをもっと前面に出しても良かった。4番目に持ってきたのは従来イメージを超えようとしているのだろうか。
社会貢献についてもあっさりした記述にとどまった。企業規模に比較して多くの具体的社会貢献活動を行っている企業だが、このレポートではそれがさほど伝わらないだろう。
ファンケル規模の企業では総花的な社会貢献活動の実施は難しい。従業員数が万単位になるような超大企業よりも優先順位付けや取捨選択がさらに重要だとも言える。どのような考え方で優先順位をつけて、なぜその活動を選んだのかを丁寧に説明することで、むしろ企業の個性をアピールできる。加えて、活動内容を具体的にレポートすることで温かみのある内容にもできる。
女性活躍推進企業のイメージだが、役員への登用はまだもう少し。
女性活躍推進以外にもダイバーシティ&インクルージョン全般には良いイメージがある企業だし、「地元(横浜)への貢献」「環境」というイメージもある。さらに「製販一貫体制」をCSR的強みにできる可能性も持っている。この点については、第三者意見で大和総研の河口氏が大きなヒントを提示しているように思う。
(発表日:2016/06/27)