【積水ハウス】持続可能性報告書「Sustainability Report 2016」を発行
積水ハウスは、グループ経営上の重要事項である環境・CSRに関する取り組みをまとめた、持続可能性報告書「サステナビリティレポート2016」を発行した。以下が特徴とのこと。
1)投資家などのステークホルダーに対して、財務情報と非財務情報(環境・社会に向けた取り組み、コーポレートガバナンスなど)の関連性を「統合報告パート」としてまとめている。
2)「CSV戦略」のページでは、事業活動を通じた中長期的な価値創造に向けて、重点的に取り組む六つのテーマを特定し、テーマごとに「目指す姿」「活動方針」「2015年度の活動報告」「主要指標の実績と自己評価」などを開示している。
3)本年度版で初めて「GRI サステナビリティ・レポーティング・ガイドライン第4版(G4)」の「中核」に準拠している。
まず良い点。昨年度版の焼き直しという印象にはならず、担当部署がある大企業だけあって、しっかり1年間の積み重ねが感じられる。
少し残念に感じる点。
「11年間の主要財務データと主な取り組み」というページがなくなってしまったこと。統合報告パートと呼ばれる部分の、もっとも統合感のあるページだったので残念。
「(今)年度の総括と次年度の目標」がなくなってしまったこと。このページだけ見ればなんとなく何を目指していてどういう状況なのかが掴めたので貴重なコンテンツだった。
「用語集」がなくなってしまったこと。取り上げられた用語を見ると、積水ハウスにとってトレンドである言葉が見えるような気がして面白かった。
「サステナビリティレポート2016」だけを読むと、ひとつひとつの項目が深く掘り下げられていて、読み応えがあるように感じるが、そのぶん一覧性が弱くなって、全体を把握するまでには労力がかかってしまう。単体では昨年度のものよりも良い構成になった感じはあるが、比較しようとするとどこに記載があるのかを探さなければならないことがあり、やや手間。
「サステナビリティレポート」類は単年度の読み物ではないので、来年度以降は連続性にもう少し重きを置いていただけるとより良くなるのではないだろうか。
2015年度版は環境コミュニケーション大賞で審査委員会特別優秀賞を受賞した。今年も期待したい。
積水ハウス(セキスイハウス)|住宅メーカー(ハウスメーカー)
(発表日:2016/05/30)